ルール解説:ポジション

 フットボールは11人対11人で行われる。各チームには3つの違ったユニットが存在する。まずはオフェンス。ボールを前に進めて得点を目指すオフェンスは、チームが攻撃権を得た場合に登場する。2つ目は、オフェンスをエンドゾーンから遠ざけようとするディフェンス。そして、ボールを蹴る状況(パント、フィールド・ゴール、キックオフ)に登場するユニット、スペシャル・チームである。

スペシャルチーム

■はじめに

 キックオフ、パント、FG(フィールドゴール:3点)といったキックのプレイで登場するユニット。キックを行う側と、ボールをキャッチしてリターンをするか、キックを失敗させるべく邪魔をする側に分かれる。キックオフとパントの際、キックチームのスペシャルチームプレイヤーたちは、リターンチームの前進を止めるため、ボールを持つKR(キックオフリターナー)やPR(パントリターナー)へ突進し、タックルを狙う。ちなみに、NFLでは主にオフェンス、ディフェンスの出場機会の少ない選手がスペシャルチームを担い、K(キッカー)は、スペシャルチーム専門の場合が多い。
プレースキッカー
キッカー(K):

 FG(フィールドゴール:3点)、キックオフを担当するキックのスペシャリスト。Kにとって最大の見せ場は、試合の最後のプレイで勝敗を決めるFGを蹴る場面。試合が大きくなればなるほど、Kのひと蹴りは劇的な場面を生み出す。だからこそKには、そんなプレッシャーにも負けない強いハートが必要とされる。

キックオフリターナー(KR):

 キックオフされたボールをキャッチして走るリターンのスペシャリスト。KRがその走りで陣地を回復すればするほど、次のオフェンスが優位な地点から開始できる。PR(パントリターナー)と同様に、タックルを狙うディフェンスの中を突き進み、圧倒的なスピードと一瞬の判断力、そして勇気を必要とするポジション。一気に100ヤード近く独走するリターンTD(タッチダウン:6点)というビッグプレイを決めることもある。

パンター(P):

 パントを蹴るスペシャリスト。パントは、できるだけ相手陣内深くに相手チームを押し込むことを目的とする。絶妙なパントは、次のオフェンスを始めるチームを逆に大ピンチへと陥れる威力を持つ。

パントリターナー(PR):

 パントされたボールをキャッチして走るリターンのスペシャリスト。PRがその走りで陣地を回復すればするほど、次のオフェンスが優位な地点から開始できる。KR(キックオフリターナー)と同様に、タックルを狙うディフェンスの中を突き進み、圧倒的なスピードと一瞬の判断力、そして勇気が必要とされるポジション。一気に100ヤード近く独走するリターンTD(タッチダウン:6点)というビッグプレイを決めることもある。

スペシャルチームプレイヤー(SP):

 キックオフ、パント、FG(オフェンス)、キックオフ、パント、FG(フィールドゴール:3点)といった、キックのプレイで登場するユニット。キックオフチームのSPはK(キッカー)と横一直線にセットし、ボールが蹴られると同時に敵陣へと走り込み、相手のブロックをかいくぐりながらKR(キックオフリターナー)のタックルを目指す。パントチームのSPはボールが敵にブロックされないようP(パンター)を守り、ボールが蹴られてからはPR(パントリターナー)の前進を少しでも食い止めようとタックルに向かう。FG時にはボールをブロックしようと襲い掛かる相手SPらKを守る。