セインツが2025年の報酬の大半をサインボーナスに変更してQBカーと共に前進することを示唆
2025年03月09日(日) 12:33
ニューオーリンズでは、新しいヘッドコーチ(HC)が就任しても先発クオーターバック(QB)が変わるわけではないようだ。
現地8日(土)、2025年シーズンの報酬に関してQBデレック・カーと何度か話し合ってきたニューオーリンズ・セインツが、今年の報酬の大半をサインボーナスに変更することを決めたと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとマイク・ガラフォロが報じている。
ガラフォロは、カーが2025年に4,000万ドル(約59億2,060万円)の報酬をすべて受け取ることを踏まえ、今回の変更はセインツが来季もカーを先発クオーターバックとして起用し続ける意向を示しているとつけ加えた。
今回の決定は、ジェネラルマネジャー(GM)ミッキー・ルーミスが2月26日にNFLスカウティングコンバインの場で述べていた、セインツは「共に勝てる選手を手にしたと信じている」という発言を反映したものだと言えよう。
それはいずれ真実になるかもしれないが、カーは2023年にセインツに加入して以来、十分な勝利を収めていない。カーが先発を務めた2シーズンでセインツの成績は14勝13敗となっている。加入初年度は9勝8敗と勝ち越し、プレーオフ進出まであと一歩のところまで迫ったものの、2年目はケガで7試合を欠場した。
しかし、チームが苦戦した原因の多くはカーがコントロールできない部分にあったと言える。カーは2023年シーズンにトップ10の得点力を誇る攻撃陣を指揮していた。セインツは昨シーズンに最初の2試合でそれぞれ40点以上を獲得するという好スタートを切ったが、その後、負傷者の続出により失速している。
また、ワイドレシーバー(WR)陣にも物足りない点が多い。昨季、チームのレシーブ数でトップ5に入った選手のうち、ワイドレシーバーはクリス・オレーブただ1人で、オレーブは8試合しか出場していない。最も多くのレシーブ数を記録したのはランニングバック(RB)アルビン・カマーラで、残りはすべてタイトエンド(TE)だった。
とはいえ、セインツがそうした状況をすぐに改善するためにどのような選手を獲得できるのかは不明だ。『Over The Cap(オーバー・ザ・キャップ)』によると、サラリーキャップを超過している4チームのうちの1つであるセインツは、3月12日(水)の新リーグイヤー開始までにキャップに準拠するために、最も多くの調整が必要なチームだという。
プロボウルに4回選出された経歴を持つカーはまさに、チームが財政面での調整を続ける中で、オフェンスの水準を維持するために必要なベテラン選手だ。また、セインツは攻撃コーディネーター(OC)としてフィラデルフィア・イーグルスのスーパーボウル制覇に貢献したばかりの新HCケレン・ムーアが、カーや他の選手たちをさらに高いレベルへ引き上げてくれることを期待している。
QBポジションに関する状況が安定していないチームが多い中、カーは今後もセインツを導いていくようだ。
【RA】