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WRメットカーフのトレードについて「多くのチーム」と話し合ったとシーホークスGMシュナイダー

2025年03月09日(日) 15:13


シアトル・シーホークスのD.K.メットカーフ【Ben Liebenberg via AP】

現地6日(木)、シアトル・シーホークスのジェネラルマネジャー(GM)ジョン・シュナイダーはチームがワイドレシーバー(WR)D.K.メットカーフのトレードを模索していることを正式に認めた。

シュナイダーGMは『Seattle Sports 710 AM(シアトル・スポーツ710AM)』のデイブ・ワイマンとボブ・ステルトンに「すべてが非常に友好的で、プロフェッショナルな状態にある。DKはトレードを要求しており、私たちはそれを検討している。私たちは多くのチームと話し合い、オファーを受け、その内容を見極めている。さあ、ここからが本番だ」と述べている。

その発言は明らかに、自分の意図を隠そうとしているのではなく、むしろ入札合戦をあおっているように聞こえる。チーム幹部が選手の移籍について尋ねられるとき、通常は選手への愛を語る一方で仮定の話にはコメントをしないといった定型的な答えが返ってくることがほとんどだ。シュナイダーGMが主力選手のトレードについて公然と話していることは、すでに事態がかなり進展していることを強調している。

メットカーフがトレードを要請したことは水曜日に報じられた。契約の最終年を迎えることを踏まえると、メットカーフがチームを去りたいと望む理由が理解できると語ったシュナイダーGMは、次のようにコメントしている。

「彼が今の気持ちになっている理由をある程度理解している。彼は27歳で、自分に対して非常に高い期待を抱いており、そうすべき選手だ。害もなければ問題もない。私たちはこの状況を乗り越えるつもりだ。ことわざにある通り、これもまた過ぎ去るだろう」

シュナイダーGMはメットカーフのトレード要請が公になったタイミングについて、チームは“とても落胆した”と認めている。その報道によって、ベテランWRタイラー・ロケットの放出や、彼の貢献を称賛したいというチームの願いがかすんでしまったからだ。

シュナイダーGMはメットカーフが来季もシーホークスでプレーする可能性を否定しなかったが、チームにとってベストな決断をするつもりであり、必ずしもメットカーフが希望するチームにトレードするわけではないと明言している。

「ここで理解すべきことは、(シーホークスのオーナー)ジョディ・アレンや“12番(シーホークスファン)”に対する私たちの責任は、何よりもまず組織にとって最善のことをし、それから選手にとって最善のことをすることだ」と語ったシュナイダーGMはこう続けた。

「うまくいけば、それがうまく合わさり、理想的な状況になる。そうなる時もあれば、そうならない時もある。今回の状況でうまくいくことを願っているし、そうなれば素晴らしい。だが、最悪のシナリオというのは、素晴らしく、爆発力があり、パワフルなレシーバーが2025年もうちでプレーしてくれるというものだ。この先どうなるか見ていこう」

シュナイダーGMは来月に実施されるNFLドラフトまでにこの問題を解決したいと述べた。

メットカーフには1年約1,800万ドル(約26億6,427万円)の契約が残っており、新たな契約で再びトップクラスの報酬を得るワイドレシーバーになりたいと考えている。メットカーフが2022年に3年7,200万ドル(約106億5,708万円)の契約を結んで以来、その契約内容を上回ったレシーバーは数多く存在しており、メットカーフの年俸(2,400万ドル/約35億5,236万円)は同ポジションで13位となっている。

フリーエージェント(FA)やドラフトで有望なレシーバーが少ないと見られていることもあり、シーホークスはチーム屈指のレシーバーに対して多くの見返りを要求する可能性が高い。とはいえ、メットカーフの契約に対する希望を考慮すると、当初の要求よりも少ない条件で決着する可能性が高いとも考えられる。

取引がまとまらず、メットカーフが契約の最終年でプレーすることになっても、彼がチームの妨げになることは心配していないと明かしたシュナイダーGMは、次のように話している。

「いや、DKは非常に優れたコミュニケーション能力の持ち主だと思う。彼はビジネスを理解している人だし、彼自身がビジネスマンだ。私たちがこの道を進むことも、組織にとって最善のことをするつもりだということも理解してくれていると思う。彼が望むような展開にならなかった場合、ここに残る可能性が十分にあることも理解しているはずだ」

「そうなれば、私たちはみんなで方向転換して前進する。つまり、そういうふうに進めていくということだ。このプロセスを通して、彼は高いプロ意識と敬意を持って対応してくれている」

シュナイダーGMはメットカーフがこの1カ月ほどで移籍することになると考えているからこそ、メットカーフの存在が2025年にシーホークスの妨げになると心配していないのかもしれない。ロケットをカットした後にトップレシーバーをトレードすることは、シーホークスのパス攻撃に大きなダメージを与えるだろう。しかし、シュナイダーGMがその可能性を公然と語っていることを踏まえると、シーホークスには前進する意思があるようだ。

【RA】