ブラウンズとDEギャレットが年俸約59億円となる4年の契約延長に合意
2025年03月10日(月) 10:14
結局、ディフェンシブエンド(DE)マイルズ・ギャレットが無理にクリーブランドを離れることはない。
クリーブランド・ブラウンズとオールプロに選出された経歴を持つパスラッシャーのギャレットが、年俸4,000万ドル(約58億8,990万円)、保証額1億2,300万ドル(約181億1,144万円)となる4年の契約延長に合意したと、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロが状況を知る人物の話をもとに報じた。
この契約により、ギャレットは先週にラスベガス・レイダースと年俸3,550万ドル(約52億2,729万円)の契約を結んだDEマックス・クロスビーを上回り、NFLで最も高額な年俸を得るQB以外の選手となる。ブラウンズは後に4年の契約延長に合意したことを正式に発表した。
今回の契約延長は、トレードを強く要求していたギャレットが、ブラウンズはスーパーボウルをかけて争える状態ではないと考えていると公言した後に実現している。トレードを求めた要因は、金銭的な問題ではなく、むしろクオーターバック(QB)ポジションに大きな疑問が残る状態でブラウンズが再び再建に取り組むことにあるとギャレットは示唆していた。
しかし、結局はお金が物を言ったようだ。
新たな契約により、ギャレットは今後6シーズンにわたってブラウンズと契約を結んだ状態となる。ラポポートとペリセロによると、年俸が4,000万ドルに引き上げられるだけでなく、新契約には最初の3年間で1億ドル(約147億2,465万円)、1年あたり100万ドル(約1億4,725万円)のワークアウトボーナス、さらに実行保証として8,880万ドル(約130億7,558万円)が含まれているという。
興味深いことに、ギャレットの契約にはノートレード条項も含まれている。
今回のプロセスを通じて、ブラウンズはAP通信NFLディフェンス部門年間最優秀選手賞を獲得した経歴を誇るギャレットをトレードするつもりは一切ないと強く主張していた。トレードに関するすべての質問を拒絶してきたジェネラルマネジャー(GM)アンドリュー・ベリーは、NFLスカウティングコンバインの期間中に他チームとトレードについて話し合うことすらしなかったと報じられている。
ギャレット側がトレードを求める動きを強めるにつれ、ベリーGMの態度は交渉戦術の1つに感じられることもあった。最終的には、最も重要な選手をトレードしないという揺るぎない決意が本物だったことが証明されている。
ブラウンズは常に、ギャレットに高い報酬を支払う準備ができていた。そして、クロスビーがわずか4日前にレイダースと締結した新契約を上回り、市場を完全にリセットする形でそれを実現させている。過去3シーズンでNFL最多となる44.0回のサックを記録してきたギャレットにその価値があることは間違いない。
ギャレットの新契約はNFL全体に波及効果をもたらす可能性がある。例えば、シンシナティ・ベンガルズのワイドレシーバー(WR)ジャマール・チェイスがQB以外で最も高額の報酬を誇る選手になることを望む場合、その金額は3,000万ドル後半から4,000万ドルに跳ね上がることになる。また、最高額の報酬を得る必要はないと語っていたダラス・カウボーイズのラインバッカー(LB)マイカ・パーソンズは、この新契約にどのように反応するだろうか。
ギャレットはトレード要請を公にしたとき、ブラウンズからカントンに行くことではなく、ロンバルディトロフィーを追い求めることが最大の目標だと主張していた。
ブラウンズのジャージーからゴールドジャケットへの道は再び開かれたと言えよう。
ギャレットの代理人を務めるニコール・リンは日曜日に『Cleveland.com』のメアリー・ケイ・キャボットに対し、「アンドリュー・ベリーと私は、基本的にこの36時間で契約をまとめた」と述べ、こう続けた。
「マイルズは考えを変え、クリーブランドからカントンを目指し、オハイオでチャンピオンシップを追い求めることにワクワクしている」
「その決断を下したとき、彼は“フリーエージェント期間が始まる前にこれを終わらせて、フリーエージェントの勧誘を始めてチームに貢献できるようにしたい”と言っていた。私は“よし、あと24時間で終わらせよう”と言って、それを実現させた」
【RA】