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トレード相手が見つからず、ラムズがWRクーパー・カップを放出

2025年03月13日(木) 09:14


ロサンゼルス・ラムズのクーパー・カップ【Ben Liebenberg via AP】

トレード相手が見つからなかったため、ロサンゼルス・ラムズがワイドレシーバー(WR)クーパー・カップを自ら手放した。

ラムズがオールプロに選出された経歴を持ち、8シーズンをチームで過ごしたカップに対し、現地12日(水)に放出することを通告したと『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが報道。ラムズはその後、新リーグイヤーがアメリカ東部時間16時に始まった後に正式に放出を発表した。

6月1日(日)以前にカップを放出することで、ラムズは2025年に750万ドル(約11億1,276万円)を節約できるが、その一方で2,230万ドル(約33億0,861万円)のデッドマネーが発生する。

2月3日にチームから「すぐに」トレード先を探すと告げられたことを明かしたカップは、ラムズの選手として歴代3位のレシーブ数(634回)、タッチダウンレシーブ数(57回)、歴代4位のレシーブヤード(7,776ヤード)を記録したフランチャイズの英雄としてチームを去ることとなった。

「8年間の素晴らしい思い出」

「ラムズがLAに戻ることや、ここで特別な存在になるためにどう成長していけるかについてよく話していた。最初の頃はLAの人々の支持を得ることに対するフラストレーションがあった」

「でも、結局は“瞬間”を届けること、経験を分かち合うこと、親と子が語り合い、いつまでも忘れないようなことが大事なんだと分かっていた」

「それこそが、この8年間の終わりをこれほどまでにつらくしている理由だ。あなたたちと共に楽しみながら築き上げてきたものが終わりを迎えるからだ」

「皆さんと共に過ごした時間に感謝している。家族を温かく迎え入れ、ここで成長する機会を与えてくれたLAに感謝している」

「次の章は今、始まる。最高の瞬間はこれからだ」

2017年にラムズに加入したカップは、ドラフト3巡目で指名された選手としてすぐに自身の地位を確立したが、ラムズが2021年にクオーターバック(QB)マシュー・スタッフォードを獲得したことで、さらなる飛躍を遂げた。

スタッフォードと共に臨んだ最初のシーズンに、カップはレシーブ145回、1,947ヤード、タッチダウン16回を記録。レシーブ記録で3冠を達成し、オフェンス部門年間最優秀選手賞を獲得した。プレーオフでの4試合では平均119.5レシーブヤードを稼ぎ、6回のタッチダウンをマーク。その中には、第56回スーパーボウルで決めた2回のタッチダウンも含まれており、ラムズをロンバルディトロフィー獲得へと導いたカップはスーパーボウルMVPに輝いた。

その後はケガが影響し、カップは3シーズンで合計17試合を欠場している。2022年から2024年にかけての合計成績は、3冠達成時の記録をレシーブ数で56回、レシーブヤードで312ヤード、タッチダウン数で1回だけ上回った。

カップはラムズでの最終シーズンの終盤に特に疲れ切っているように見え、最後の5試合での平均成績はレシーブ2回、28.2ヤードにとどまっている。

それでも、32歳のシーズンを迎えるにあたり、カップが依然として人気のあるワイドレシーバーであることに変わりはない。2024年シーズン終盤の苦戦は、ハイアンクルスプレインに見舞われたことが影響していた可能性がある。また、実際にあった身体的な衰えがどのようなものであれ、カップは鋭いルートランニング、確実なキャッチ、そして常に完璧な位置にいることでそれを補っている。

優勝候補のチームから、メンターを探している再建中のチームまで、多くのチームがカップに関心を寄せるだろう。カップを獲得するために資本を手放す必要がなくなった今、その関心はさらに高まっているはずだ。

一方、ラムズはワイドレシーバー陣の顔としてプカ・ナクアを据える見込みで、新たに加入したデイバント・アダムスがWR2としてカップの穴を埋めることになるだろう。

【RA】