残留のためなら“ジョー・バロウ税”の支払いも構わないとベンガルズTEゲシッキ
2025年03月13日(木) 11:58
シンシナティ・ベンガルズのタイトエンド(TE)マイク・ゲシッキにとって、クオーターバック(QB)ジョー・バロウからパスを受けるためなら、多少の減額は惜しむものではなかったようだ。
ゲシッキは3年総額2,550万ドル(約37億7,680万円)、初年度1,200万ドル(約17億7,732万円)の契約でベンガルズと再契約を結んだ。
『Dayton Daily News(デイトン・デイリー・ニュース)』によれば、ゲシッキは「最初から“ジョー・バロウ税”を払うつもりだった」と語り、残留のために減額が必要だったことに言及した。
「それは分かっていたことだし、全然構わなかった。だから、こうして戻ってくるのは簡単な決断だった。自分の価値をマーケットで試そうかと考えたとき、この組織の多くの人たちの顔が思い浮かんだ」
「自分の価値がどれくらいか、どんな契約があり得るか、そういう話を耳にすることもあった。でも、最終的には自分が本当に望んでいるのは何かということ。俺はシンシナティに残りたかったし、自分のポテンシャルを最大限発揮できるオフェンスでプレーしたかった。このチームには、俺が求めているすべてがそろっていると思った」
ベンガルズがワイドレシーバー(WR)のジャマール・チェイスやティー・ヒギンズとの契約を控えている中、ゲシッキはチームのキャップスペースを「大きく削りすぎたくなかった」と話している。
年平均850万ドル(約12億5,919万円)の契約は、30歳のゲシッキをTE市場の中堅クラスに位置付け、ニューイングランド・ペイトリオッツのハンター・ヘンリー(年俸900万ドル/約13億3,326万円)に次ぐ金額となる。ゲシッキはインラインでのブロックよりもスロットレシーバーとしての役割が大きいが、それでも予算に厳しいベンガルズにとっては大きな投資と言える。
前途有望なキャリアのスタートを切ったゲシッキは、マイアミ・ドルフィンズの選手として2020年と2021年に連続で700ヤード以上を記録し、ワイドレシーバーの役割をこなしていた。しかし、2022年にヘッドコーチ(HC)マイク・マクダニエルの下で起用法が変わったことで苦戦し、ペイトリオッツでプレーした2023年も本来の力を発揮することができなかった。ところが、バロウ率いるベンガルズのオフェンスで再び存在感を示すことができたゲシッキは、昨シーズンにキャッチ65回で665ヤード、タッチダウン2回を記録。ジョージ・キトルのようなオールラウンドTEとは言えないが、ベンガルズのシステムの中で確固たる役割を見いだしている。
8年目のシーズンを迎えるゲシッキは、バロウには「たくさんの恩がある」と話し、「地球上で最高のクオーターバックが自分を信頼してくれるのは大きい」と続けた。バロウ自身も、このオフシーズンにベンガルズが残留させるべき選手として、ゲシッキの名前を挙げていた。
「俺はシンシナティ・ベンガルズのために、そしてジョー・バロウのために、毎日全力を尽くすつもりだ」とゲシッキは語る。
「昨シーズン、彼は俺のキャリアのために多くのことをしてくれた。俺にチャンスを与え、信頼してくれた。ジャマールやティーにディフェンダーが引きつけられているときに、“マイクならやってくれるから、彼にボールを投げる”と信じてくれた。そしてフィールドの外でもこうして俺の名前を挙げてくれた。それは本当にありがたいことだった」
ベンガルズはこれでオフェンスの重要なピースを1つ確保した。あとは、残る主力たちをどう維持していくかにかかっている。
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