イーグルスで2度のスーパーボウル制覇を経験したDEグラハムが15シーズンを経て引退
2025年03月19日(水) 09:57
フィラデルフィア・イーグルスの人気選手がスーパーボウルチャンピオンとして夕日に向かって飛んでいく。
現地18日(火)、イーグルスがスーパーボウル制覇を成し遂げた2シーズンでいずれもチームに所属していたディフェンシブエンド(DE)ブランドン・グラハムが、15シーズンを経て引退することを発表。グラハムはそのすべてをイーグルスで過ごしていた。
グラハムは引退発表の最後に「フィラデルフィアへ、皆さんもご存知のように、俺たちは最初から親密だったわけじゃない。皆さんの存在があったからこそ、ここまで努力を続けてこられたし、それに感謝している」と述べた。
「苦難やケガ、さまざまな瞬間を乗り越えながら、何度も実力を証明しなければならなかった。皆さんがいたからこそ、楽をせず、責任を持ち、常に挑戦する気持ちを持ち続け、より良くなろうとすることができた。そして、その瞬間が訪れたとき、俺たちは一緒に祝った。2回ね。この街は、努力、粘り強さ、そして比類なき情熱によって築かれている。皆さんはどの試合も、どの瞬間も、どのシーズンも、常に同じエネルギーを注いでくれている。皆さんの忠誠心、情熱、揺るぎないサポートは、俺やこの組織にとってかけがえのないものだ。フィラデルフィアの人々はただ応援するのではなく、チームに命を懸けている。それを目の当たりにし、実感してきた。皆さん一人ひとりに感謝しているし、この街の心臓部となってくれてありがとう」
「このゲームは俺の人生を変えたけど、それ以上に重要なのはこの街が俺の人生を変えたことだ。この街はフットボールを超えた目的を与えてくれた。リーダー、友人、信仰心と誠実さを持つ人間であることの意味を示してくれた。フィールドでの時間は終わりに近づいているけど、このチームと街への愛は決して色あせない。フィラデルフィアと皆さんに、心の底から、ただただ感謝したい。E-A-G-L-E-S。イーグルス! フライ、イーグルス、フライ。BGは引退するぞ!」
グラハムはキャリアを通してチーム史上最多となる206試合のレギュラーシーズンゲームに出場し、サック76.5回(フランチャイズ史上3番目に多い)、トータルタックル487回、タックルフォーロス126回、クオーターバック(QB)ヒット153回、フォースドファンブル22回を記録してきた。
もちろん、そのレガシーはイーグルスがスーパーボウルに3度出場し、そのうち2回でロンバルディトロフィーを獲得したことと永遠に結びついているだろう。
2024年シーズン第12週に三頭筋を断裂した36歳のグラハムは、シーズンだけでなくキャリアも終わったのではないかと恐れていた。しかし、グラハムは第59回スーパーボウルに間に合う形で回復し、イーグルスがカンザスシティ・チーフスを下すのに貢献。参加したスナップは13回で、タックルも1回にとどまったが、イーグルスが素晴らしいディフェンスを展開するのに尽力した。
「もしスーパーボウルにもう一度出ていなかったら、今ここにはいなかったと思う」と語ったグラハムは「間違いなく、もう一度戻らせてほしいと懇願していただろう。でも、もう一度出場して仲間たちとプレーし、大きな瞬間、大きな舞台で、最後にあのユニフォームを着られたのは幸せだった」と続けている。
「・15シーズン(フランチャイズ史上最多タイ)
・206回のレギュラーシーズンゲーム出場(フランチャイズ史上最多)
・2度のスーパーボウルチャンピオン
・76.5回のレギュラーシーズンサック(フランチャイズ史上3位)
・23回のキャリア通算フォースドファンブル(フランチャイズ史上2位)
・1度のプロボウラー(2020年)およびオールプロのセカンドチーム(2016年)
・2度のイーグルスWPMOY(ウォルター・ペイトンNFLマン・オブ・ザ・イヤー)」
🦅 15 seasons (tied for the most in franchise history)
🦅 206 regular season games played (most in franchise history)
🦅 2x Super Bowl Champion
🦅 76.5 regular season sacks (3rd in franchise history)
🦅 23 career forced fumbles (2nd in franchise history)
🦅 1x Pro-Bowler (2020)… pic.twitter.com/vhTnRKSx5M— Philadelphia Eagles (@Eagles) March 18, 2025
グラハムがフィラデルフィアにおけるスポーツの伝説として永遠に語り継がれる場面を作り上げたのは、イーグルスがフランチャイズ史上初のスーパーボウル制覇を成し遂げたときだった。第52回スーパーボウルでイーグルスがニューイングランド・ペイトリオッツを相手に38対33でリードしていたとき、グラハムは試合終了まで残り2分9秒の時点で元QBトム・ブレイディにストリップサックを決めた。そのボールをDEデレック・バーネットが確保し、続くドライブでキッカー(K)ジェイク・エリオットがフィールドゴールを成功させたことで点差は41対33に。これが最終スコアとなり、イーグルスは初のスーパーボウル制覇を果たした。
グラハムがプロボウルに選出されたのは2020年シーズンだけであり、10回以上のサックを記録したのは2022年シーズン(11回)だけだ。しかし、グラハムは秋が来るたびに活躍し、控えとしても先発選手としても強力なパスラッシュを展開した。
昨年、イーグルスと2年連続で1年契約を結んだグラハムは、しばらく前から引退を検討していたが、シーズン中盤のケガがキャリアを終えるきっかけとなったようだ。その一方で、イーグルスはニューオーリンズで行われるスーパーボウルに向けて快進撃を続けていた。
大一番を迎えるまでの2週間、グラハムが復帰する可能性は現実のものとなる前に、大きな注目を集めていた。
グラハムはDEミルトン・ウィリアムズやアウトサイドラインバッカー(OLB)ジョシュ・スウェット、インサイドラインバッカー(ILB)オレン・バークス、コーナーバック(CB)ダリウス・スレイ、CBアイザイア・ロジャース、セーフティ(S)C.J.ガードナー・ジョンソンに続き、第59回スーパーボウル制覇を経験した後にイーグルスに戻らない最新の守備選手となっている。
2010年NFLドラフトの全体13位で指名されたミシガン大学出身のグラハムは、イーグルスのフランチャイズ史上最も長く在籍した選手だ。
また、グラハムはエリオットやオフェンシブタックル(OT)レイン・ジョンソン、ロングスナッパー(LS)リック・ロバートと共に、イーグルスの2度にわたるスーパーボウル制覇に貢献した4人の選手のうちの1人でもある。
長きにわたってイーグルスの一員だったグラハムは、自らの意思で、チャンピオンとして引退することになった。
【RA】