爆発的なプレーを模索するQBメイフィールドとバッカニアーズ、YAC頼みからの脱却を目指す
2025年06月12日(木) 13:36
タンパベイ・バッカニアーズのクオーターバック(QB)ベイカー・メイフィールドは、新たに就任した攻撃コーディネーター(OC)ジョシュ・グリザードの下で、2025年シーズンにより爆発力のあるプレーを目指している。
チームの公式記録によれば、メイフィールドは「もっと爆発的なプレーを取り入れようとしている」と現地10日(火)に語ったという。
「自分はスタッツ重視のタイプじゃないけど、それでもスタッツを見れば、縦方向の爆発力に欠けていたのは一目瞭然だ。フィールド中央でフリーの選手を作ってYAC(ヤード・アフター・キャッチ)を稼いでいた印象だ」
メイフィールドがあまり気にしていないと話すそのスタッツは、実際に彼の主張を裏付けている。バッカニアーズは昨季、パスアテンプト1回あたりの平均獲得ヤードでリーグ6位(7.89ヤード)だった一方、平均エアヤードはリーグ29位(6.8ヤード)にとどまった。この差は、いかにYACに頼っていたかを示している。
メイフィールドがロングパスを試みた場面では成功率が振るわなかった。20ヤード以上のパスアテンプト率は全体の7.5%でリーグ28位、成功率は32.6%で21位。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によれば、ロングパスにおける追加予想得点(EPA)は0.19でリーグ20位だったという。メイフィールドはロングパスでタッチダウン5本、インターセプト4本を記録している。
バッカニアーズには縦の攻撃を増やす武器がそろっている。もしグリザードOCが昨季のリアム・コーエン前OCよりもダウンフィールドへのパスを多くコールすれば、その可能性は高まる。ワイドレシーバー(WR)マイク・エバンスはチームにとって常に縦の攻撃における武器であり続けてきた。ジェイレン・マクミランは昨シーズンにディープフィールドで脅威になり得る実力を覗かせ、ルーキーのエメカ・エブカとテズ・ジョンソンの加入もその能力に厚みを加える。クリス・ゴッドウィンが常にディープフィールドで活躍できるとは言えないものの、健康であればカバレッジを引きつけることで全体に貢献できる。
メイフィールドは、ダウンフィールドへのパスの数を増やすための連携構築が、新しいオフェンスにおいてミニキャンプで重点的に取り組んでいる課題の一つだと語った。
「今は連携構築に取り組んでいるところだ。特にタイミングを合わせること、各ルートの目印がどこにあるのかを把握すること、それに加えてカバーでセーフティがツーハイかワンハイかによって、どこに投げるのかを理解することが重要だ」とメイフィールドは説明している。
「この時期はそのあたりを仕上げていくつもりだ。もちろん、もっと縦のパスを増やしたい気持ちはあるけれど、どんなパスであれ、成功すればいいプレーになる」
メイフィールドはキャリアを通じて、チャンスがあれば迷わずディープパスを狙ってきた。しかし成長を重ねる中で、無理に狙いすぎない冷静さも身につけている。バッカニアーズが期待するのは、手元にそろった武器を活かしてディープパスが増えることだ。少なくとも、ディープフィールドを狙う割合が7.5%を上回れば、2025年シーズンにはショートパスのルートもさらに開けてくる可能性がある。
【R】