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レイブンズQBジャクソンがプレーオフ敗戦の批判を受けるTEアンドリュースを擁護、「リベンジを胸に戦う」

2025年06月18日(水) 11:58

【NFL】

クオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンは敗戦を決して忘れない。そして、チームメートへの批判も見過ごすつもりはない。

ボルティモア・レイブンズの参加必須のミニキャンプ初日となった現地17日(火)、ジャクソンはバッファロー・ビルズと対戦した昨シーズンのAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)ディビジョナルラウンドで、ファンブルと2ポイントコンバージョンの失敗を犯したことで批判されているタイトエンド(TE)マーク・アンドリュースを擁護。チーム全体がプレーオフの敗北の雪辱を晴らすために新シーズンに臨んでいると明かした。

「俺の仲間があれこれ言われているみたいだけど、それがすごく気に入らない。マークはこれまでチームのために尽くしてきた」とジャクソンはアンドリュースについて語った。

「彼がどれだけ貢献してきたかを考えれば、あんな扱いを受けるのは納得できない。マークは今もマークだ。それは間違いない」

ジャクソンは続けて次のように語っている。

「彼はチームのためにも、自分自身のためにも多くを成し遂げてきた。だからこそ、時にはもう少し静観してほしいと感じることもある。あの試合は勝ちたかった。俺自身、あのインターセプトは投げたくなかったし、ファンブルもしたくなかった。あの連携ミスだって、起きてほしくなかった。でも、起きてしまった。あれは教訓だ。次こそは、もっといいプレーをして見せるさ」

昨シーズンのプレーオフでレイブンズが喫した敗戦は、ジャクソンにとってキャリア5度目のポストシーズン黒星となった。雪の舞う中で行われたこの試合は、2点差という僅差で決着し、3つのターンオーバーが勝敗を分ける要因となった。

ターンオーバー3つはいずれもレイブンズ側のミスだった。ジャクソンはそのうち2つに関与しており、2度のポゼッションで立て続けにインターセプトを投げ、その直後には敵陣でファンブルを喫してボールを失っている。いずれも前半に起きたミスだったのに対し、アンドリュースの痛恨のプレーは試合終盤に集中していた。24対19とリードを許した状況で迎えた第4クオーター残り8分41秒、アンドリュースはボールをファンブルして攻撃権を失った。その後、ビルズをフィールドゴールに抑えたレイブンズは反撃に転じ、タッチダウンを奪取。試合終了まで2分を切った場面で、2ポイントコンバージョンによる同点の好機を迎えた。ところが、アンドリュースはフリーの状態で投じられたパスを落球してしまう。

それからレイブンズに攻撃権が戻ることはなかった。

この試合でキャッチ5回、61ヤードを記録したアンドリュースだが、シーズンを通して本調子とは言えず、決定機を逃したことで大きな批判を浴びた。キャリアのピークは過ぎたのではないかという声も上がり、今後もレイブンズに残るのかという疑問まで投げかけられる事態となった。

それでもアンドリュースは依然としてレイブンズの一員であり、2025年シーズンに向けてもジャクソンにとって信頼できる武器であることに変わりはない。

7シーズンにわたって築いてきた関係の中で、ジャクソンがアンドリュースに寄せる信頼は揺るぎない。2人はこれまでに計7度のプロボウル選出と4度のオールプロのファーストチーム入りを果たしており、最近のミスをはるかに上回る実績を残してきた。

とはいえ、プレーオフでの敗戦が胸に残る痛みであることに変わりはない。

「正直に言えば、どんな敗戦も乗り越えたとは思っていない」とジャクソンは言う。

「ユースフットボールのときの負けですら、今も頭から離れない。負けを忘れることなんてない。他の人にとってはどれだけ小さなことでも、あるいはどれだけ大きなことでも、自分にとってはすべて同じだ」

このオフシーズン、ジャクソンはその痛みと向き合いながら前進してきた。とりわけ敗戦試合の映像を見返し、ミスを浮き彫りにして次に活かすための材料を探ったという。

ジャクソンによれば、映像を研究したことで得た最大の教訓は、ボールを守ることだったと記者たちに話している。それはNFLの試合において常に重要な要素だが、ディビジョナルラウンドで相手よりも多くターンオーバーを喫しながら、あと一歩で勝利に届いたという事実を踏まえれば、なおさらその重要性が際立つ。

「それでも勝つチャンスは残っていた」とジャクソンは振り返る。

「これがフットボールだ。すべてが自分たちの思い通りに進むわけではない。前まではプレーオフで勝てないなんて言われていたけど、勝った。そして2年前はAFCチャンピオンシップに進んで、今年はあと2勝足りなかっただけだ。俺たちは立ち直る。また戻ってくる。リベンジを胸に戦うつもりだ」

ジャクソンやアンドリュースをはじめとするチームの面々にとって幸いなのは、その雪辱の機会を長く待つ必要がないということだ。レイブンズのシーズンは、あの悪夢の舞台となった地で、ビルズとのサンデーナイトフットボールで幕を開ける。

その先にある最大のリベンジは、スーパーボウル制覇という形で成し遂げるのがふさわしいだろう。

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