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競争を受け入れ、ペニックスJr.との取り組みに意欲を示すファルコンズQBタゴヴァイロア

2026年03月25日(水) 12:07

トゥア・タゴヴァイロア【AP Photo/Doug Murray】

クオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアは自身が救世主となることを求められていないチームで新たな章を歩み始めている。

しかし、タゴヴァイロアは競争心を持たずにアトランタ・ファルコンズに加入したわけではない。ファルコンズとの1年契約を最大限に生かすつもりなら、競争心は必要になるだろう。ファルコンズは保険として、そして2024年ドラフト1巡目で指名したQBマイケル・ペニックスJr.の競争相手として、かつてハイズマントロフィーのファイナリストとなったタゴヴァイロアを迎えた。

先発の座が保証されていた環境を離れ、キャンプでの競争に臨むことについて、タゴヴァイロアは「心構えはまったく変わらないと思う。変わらないさ」と話している。

「競争が好きかどうか、競争心があるかないかのどちらかだ。競争心のある人間が急に“ちょっとリラックスしよう”なんてことにはならない。そういうものじゃないと思うんだ。コンペティターか、そうじゃないかのどちらかだ。俺は競争を受け入れている。マイクと一緒に取り組むのが楽しみだし、チームや仲間たちと一緒にやれるのも楽しみだ。今年は楽しくなると思う」

タゴヴァイロアにとって2025年シーズンは決して楽しいものではなかった。爆発的な活躍を突発的に見せた場面(例えば、左目が腫れて閉じた状態だったにもかかわらず4回のタッチダウンを記録した試合)以外は精彩を欠き、最終的には高いポテンシャルを見せながらも一貫した成功を収められなかったドルフィンズ時代に終止符を打つことになった。健康面も課題となり、複数回の脳しんとうを経験したタゴヴァイロアは、ドルフィンズでの6年間で全試合に出場したのがわずか1シーズンにとどまっている。それに伴い、より安全な転倒方法を習得するための特訓を行っているといった詳細まで報じられ、異例の注目を集めることにもなった。

それは今後のキャリアを通じてタゴヴァイロアにつきまとう最大の懸念事項であり続けるだろう。

「フットボールというスポーツには常に身体的な接触が伴う。だから、足首であれ、手であれ、脳しんとうであれ、股関節であれ、何であっても将来の健康状態を予測することは決してできない」とタゴヴァイロアは語った。

「健康面に関しては、ファルコンズで必要とされている手順をすべて済ませたし、結果はすべて良好だった。いくつかの項目は周囲が思っていたよりもはるかに良い状態だった。だから好きか嫌いかっていう話なんじゃないかな。このスポーツを愛しているか、そうじゃないかだ。ケガを抱えながらこのスポーツを続けるうえで待ち受けている困難は理解している。好きか嫌いか、それだけだ。俺はそう思っている」

過去数シーズンとは異なり、タゴヴァイロアのドルフィンズでの最終シーズンは、健康上の理由ではなく、成績不振によって突然の幕切れを迎えた。タゴヴァイロアのパフォーマンスが著しく低迷したことから、ドルフィンズの新幹部には決別するために巨額のデッドキャップを負担する覚悟さえあった。ファルコンズはそうした状況にもかかわらず、すぐにタゴヴァイロアを獲得したものの、契約期間は前述の通り1年間にとどまっている。

少なくとも2026年はタゴヴァイロアにとって、自分を擁する価値があることを証明する機会となるだろう。QBサム・ダーノルドのキャリアを振り返れば、新ヘッドコーチ(HC)ケビン・ステファンスキーのもとでタゴヴァイロアがさらなるポテンシャルを発揮する可能性はあると推測できる。ステファンスキーHCは最終的にケガから復帰したペニックスJr.に引き継ぐことを見据えつつ、シーズン序盤はタゴヴァイロアに先発を任せるなど、バランスを見ながら判断しなければならなくなるかもしれない。

すべてが順調に進めば、それはステファンスキーHCにとってうれしい悩みとなるだろう。一方のタゴヴァイロアは、再びプレーする機会を得られたこと自体に喜んでいる。

2026年シーズンを終えた後について質問されたタゴヴァイロアは「そこまで先のことを見通すのは難しい」と答えた。

「今できる最善のことは、このチームでの1年契約という機会を最大限に生かし、チームメイトとの関係を築くことだと思う。そして、プレーするときには思い切ってプレーする。それこそが人生でずっと夢見てきたことだ。だからどんな状況であろうと、今この瞬間に集中するつもりだ」

タゴヴァイロアは多くのプレーメーカーがそろうロッカールームに身を置き、素早い判断力を持つ司令塔として彼らと連携することで大きな成功を収められるかもしれない。ファルコンズはかつてドラフト1巡目指名したタイトエンド(TE)カイル・ピッツを残留させ、NFL屈指のランニングバック(RB)ビジャン・ロビンソンやワイドレシーバー(WR)ドレイク・ロンドンも擁している。

「カイル・ピッツにはYAC(ヤード・アフター・キャッチ)の能力がある。ドレイクの近くに投げれば、ドレイクがキャッチしてくれる」と語ったタゴヴァイロアはこう続けた。

「ビジャンのようなランニングバックもいる。去年は(デボン)エイチェーンがいたけど、走りのスタイルには共通点があると思う。ビジャンの方が少しフィジカルかもしれないけど、スピードや回避力という点では似ている。しかも、プレーアクションを駆使してボールを渡すこともできる。総合的に見て、かなり手強い攻撃になると思う」

タゴヴァイロアが2026年に武器に事欠くことはないだろう。ゾーンランニングや効果的なブロッキング、効率的かつタイミングの良いパスを重視するステファンスキーHCのオフェンスで、タゴヴァイロアはそれらを最大限に生かす必要がある。

ファルコンズの新ジェネラルマネジャー(GM)イアン・カニンガムの発言を踏まえると、タゴヴァイロアにはその攻撃陣で役割を勝ち取る正当なチャンスを与えられるはずだ。

【RA】