QBタゴヴァイロアに共感するファルコンズHCステファンスキー、「周りが間違っていると証明したくなる」
2026年03月30日(月) 17:17
アトランタ・ファルコンズのクオーターバックルームのテーマは“競争”だ。
クオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアをベテランの最少額年俸で獲得するという賢明な判断をした後、ファルコンズのジェネラルマネジャー(GM)であるイアン・カニンガムはタゴヴァイロアがマイケル・ペニックスJr.と争うことになるとの姿勢を明確にした。入団会見に臨んだタゴヴァイロアは、新しいチームメイトとの競争を受け入れるとコメント。現地29日(日)、年次ミーティングの場で『NFL Network(NFLネットワーク)のマイク・ガラフォロの取材に応じたヘッドコーチ(HC)のケビン・ステファンスキーは、再びこの話題に触れた。
「トゥアはわれわれに合っていた。フットボールも合うし、人柄も合うと思う。彼は先発の座を争える場所を探していた。われわれはそれを彼に提供している。彼はキャリアを通じて常に競争してきた人物だと思う。アラバマ(大学)時代を含めてね。彼はここでチームのためにベストのことをやりたいと思っている。彼が来てくれてわれわれはエキサイトしているよ」とステファンスキーHCは述べている。
タゴヴァイロア加入によってクオーターバックルームのレベルが上がり、競争が生まれるだけではない。2025年シーズンがどういった終わりを迎えたかという点で、ステファンスキーHCはタゴヴァイロアに親近感のようなものを抱いている。
クリーブランド・ブラウンズを率いた6シーズンの間にNFL年間最優秀コーチ賞を2度獲得したにもかかわらず、ステファンスキーHCは5勝12敗で終わったシーズンの後に解雇された。浮き沈みの激しい期間を率いたステファンスキーHCは45勝56敗を記録する一方で、今世紀にブラウンズが経験した3度のポストシーズンのうち、2度をその手でもたらしている。
タゴヴァイロアもまた、マイアミ・ドルフィンズでアップダウンの激しい6年間を送っている。2020年度ドラフトの全体5位で指名されながらも、当初は足がかりがつかめずに苦戦したタゴヴァイロアは、マイク・マクダニエルHCの下で才能を開花させ、2023年にはパスヤードでリーグトップに立つまで至る。しかし、サウスビーチでの最後の2年は、負傷やパフォーマンスの不安定さで低迷。昨シーズンのラスト3試合では、チームによってベンチに下げられていた。そこから数カ月ほどで、ドルフィンズは記録的な9,920万ドルというデッドマネーと引き換えにタゴヴァイロアをリリースしている。
そんなステファンスキーHCとタゴヴァイロアが今、アトランタで共に再起を懸けた戦いに臨もうとしている。
「解雇されるということにも、考えさせられるところはある。私にはそれを裏づけられる。周りが間違っていると証明したくなるものだよ。見返してやると意気込むのさ。私が来たこの場所も、トゥアがやって来たこの場所も、言ってみればわれわれがそうなると思っていたものとは違う。だが、それが現実で、それならばどう対応するかということなんだ。彼はそういうことを経験している。彼のキャリアや、大学時代を振り返れば、彼はこういうことにしっかり応じてきた」
とはいえ、タゴヴァイロアはまず、反対論者が間違っていることを示すチャンスを自らの手でつかまなければならない。当然、2024年のドラフト1巡目指名選手であるペニックスも同様に、ファルコンズの未来を司る者という立場を固められなかったところから、筋書きを変えていこうと目指している。ペニックスも今、新体制の下でゼロからのスタートを切るところだ。部分的に断裂したACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)が完全に回復でき次第、ペニックスもクオーターバック争いにからんでくる。
「マイク(ペニックス)が戻って来るのが楽しみだ」と言うステファンスキーHCは次のように続けた。
「彼は正しい姿勢を備えている。毎日チームの施設にやってきて、一日中リハビリをして準備を整えようとしている。どういった状況になるかについてタイムラインを設定してはいないが、いずれ彼はベストを尽くす準備を整えてくれるはずだ。彼は今自分が集中すべきものに集中している。それは健康を取り戻すことで、一番大事なのはそこだ」
来るクオーターバック争いは、オフシーズンとトレーニングキャンプを通じてファルコンズの大きな話題になるだろう。それは、かつてのクリーブランド・ブラウンズにおけるジョー・フラッコ、シェドゥーア・サンダース、ディロン・ゲイブリエルの状況と似ている。
この争いを制したのはフラッコだった。しかし、その後フラッコはシーズン中にトレードされ、結局は3人のシグナルコーラーすべてがこの厳しいシーズンにフィールドに立っている。そのシーズンはやがて、ステファンスキーの解任につながった。
2026年のファルコンズにおいて、タゴヴァイロアとペニックスのいずれが起用されるのか、もしくは、両者がプレーすることになるのかはともあれ、ステファンスキーHCは以前の失敗を経て、新たな考え方でこの競争に臨んでいるという。
解任から何を学んだかを問われたステファンスキーは「ここで挙げきれないほど学んだ」と返答した。
「人生の中では、学んだり、つまずいたり、立ち上がったり、解決策を見つけたりしていくもの。そういうことはたくさんある。過去を変えることはできないけれど、私は前を向き、この経験を飲み込んでやっていこうと思っている。もっとうまくやれると、自分で分かっていることもあるんだ。そこからやっていく。どんな仕事でも、成長していこうという思考を持つことが大事だ。だが、この仕事では特にそう言える。仮に最初はうまくいかなくても、このフットボールチームをあるべき場所へ導くために、私は全力で取り組んでいくだろう」
【A】



































