チアリーダー
フィールドを彩る華
- アメリカでは、大リーグをも凌ぐ人気を誇るNFL、アメリカンフットボール。その魅力は、最高のアスリートたちが見せるスピードとぶつかり合い、選手、コーチらが繰り広げる巧みな戦略ゲーム、そしてスタンドでわき上がる数万の観客の大歓声と、つきる事がありません。そしてこの魅力ある試合のエンターテイメント性を側面から支え、試合中はサイドラインで華やかに踊る『12番目の選手達』、それがNFLチアリーダーです。
「ロールモデル」、アメリカ女性の理想像
- 一般的にチアリーダーと聞くと、どうしても彼女達の華やかなイメージに目がいきがちですが、NFLチアリーダーは、ダンス能力のみならず、心身ともに優れ、知的かつ自立心を持ち合わせた理想的な現代女性像として、アメリカでは女性たちの『ロールモデル(社会の見本)』と呼ばれています。さらに、彼女たちは病院訪問、学校訪問等の慈善活動にも積極的で、年間約300件以上の地域貢献活動に参加しています。
10倍を超える競争率
- 平日は学生、社会人として別の顔を持ち、週末の試合の為に、平日に時には6時間にも及ぶハードな練習を行います。1試合当たりにわずかな報酬が支払われるだけですが、各チームとも毎年400名近い応募者がNFLチアリーダーとなることを目指して、オーディションに参加します。そして1チームあたり約30-40名の女性達だけが、晴れて憧れのユニフォームに袖を通すことを許されるのです。ここ数年では、アメリカでも難関のNFLチアリーダーに多くの日本人が挑戦し、見事合格を果たしています。
現役日本人チアリーダー
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松崎 美奈子
(まつざき みなこ)
ニューオリンズ・セインツ
2015/2016シーズン大学でチアリーダー部部長を務め、日本社会人アメリカンフットボールXリーグチアリーダー、キッズチアリーダー講師を経験。管理栄養士、フードコーディネーター、NSCA-CPTの資格を持ち、様々なアスリートやジュニアアスリートの栄養指導歴を持つ。その中で、NFLチアリーダーの素晴らしいマインドに触れ、また、自分も夢を追うプロセスを踏み、選手の気持ちに共感したいと思い、アメリカ挑戦を決意。ニューオリンズ・セインツ・チアリーダーとしては日本人初の合格。(TEXT BY KIYOSHI MIO)
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吉田 奈央
(よしだ なお)
ミネソタ・バイキングス
2015/2016シーズン高校時代に甲子園で応援の面白さに魅了され、大学時代はバトン・チアリーダー部の部長を歴任。大学卒業後はXリーグのパナソニック・インパルス、NBLの和歌山トライアンズ、アメリカン・フットボールとバスケットボールの両方のチアを経験。トライアンズでディレクターを務めた檀上欣子さん(元ダラス・カウボーイズ・チアリーダー)のサポートを受けて、日本人初となるバイキングス・チアリーダーのオーディションに一発で合格。(TEXT BY KIYOSHI MIO)
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森下 昌子
(もりした まさこ)
ワシントン・レッドスキンズ
2013/2014/2015/2016シーズン高校時代にアメリカ留学した際にチアと出会い、Xリーグのファイニーズでは7年間活動し、うち2年はキャプテンとしてチー ムを牽引。2010年からはプロ野球のオリックス・バッファローズのチアチームディレクターを2年間務めた。2011年シーズン終了後から生活の拠点をアメリカに移し、現在は日本の大手TV局のワシントンDC支局で勤務する傍ら、2013年からワシントンレッドスキンズのチーム歴代3人目の日本人チアとして活動中。
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中野 友理
(なかの ゆり)
サンフランシスコ・49ers
2014/2015/2016シーズン母親がチアダンス教室を経営し、幼少よりダンスに囲まれた環境で育つ。高校時代に渡米した際、49ersのチア「ゴールドラッシュ」のパフォーマンスに魅了され、自分もいつかこの舞台に立つと誓う。2009年にプロ野球・中日ドラゴンズのパフォーマンスチーム「チアドラゴンズ」、2011年にbjリーグ浜松・東三河フェニックスのチアダンスチーム「ファイヤーガールズ」に所属。今シーズン、オーディションを突破し、ゴールドラッシュのメンバーに選出される。(TEXT BY KIYOSHI MIO)
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小野 綾子
(おの あやこ)
ジャクソンビル・ジャガーズ
2013/2014/2015/2016シーズン社会人アメリカンフットボールXリーグをきっかけにチアを始める。2008年~2010年には、北米アイスホッケーリーグNHLフロリダパンサーズのチアリーダーとして活躍。2012年は、bjリーグ東京サンレーヴスのチアリーダーに所属。2013年から日本人初のNFLジャクソンビル・ジャガーズチアリーダーとして活躍中。
ジャガーズ・チアダイアリーを読む
歴代日本人チアリーダー
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西村 樹里
(にしむら きさと)
デンバー・ブロンコス
2012/2013/2014/2015シーズン高校でダンスドリル部に所属し、競技チアを開始。大学時代には日本国内にとどまらず、米国のチア選手権でも上位ランクインの実績を誇る。2012年に今季は約8倍の競争率を突破し、見事ブロンコスのチアリーダーに合格。23歳での合格はNFL日本人チアリーダー史上最年少となる。
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勝呂 美香
(すぐろ みか)
サンフランシスコ・49ers
2013/2014/2015シーズン高校チアリーディングの強豪校で部長を務め、大学では食物学を専攻して、栄養士免許も取得。XリーグのIBMビッグブルーチアとして5年間活動した後にNFL挑戦を決意。初挑戦の2012年はファイナルまで進みながらも涙を呑んだが、2013年のオーディションに受かり、晴れてゴールドッシュのメンバーとなり、キャンドルスティック・パークの最終戦でも踊った。2年目の2014年は3人いる日本人チアのリーダー格として、新しく完成したばかりのリーバイス・スタジアムでの試合に華を添える。(TEXT BY KIYOSHI MIO)
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石阪 愛理
(いしざか あいり)
サンフランシスコ・49ers
2014/2015シーズン中学から競技チアを始め、中・高でキャプテンを任され、高校時代にはチアダンスのソロ部門で全国大会に出場。日本でスポーツのチアチームにもダンスのクラブチームにも属したことのない異色の経歴ながら、中高時代に培ったダンス・テクニックが評価されて、2014年に49ersのチアリーダー「ゴールドラッシュ」のオーディションに合格。勝呂、中野と共に史上初めて3人の日本人チアリーダーがチームメートとなりNFLのフィールドに立つ。(TEXT BY KIYOSHI MIO)
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大石 理絵
(おおいし りえ)
アトランタ・ファルコンズ
2012/2013/2014/2015シーズン大学から本格的にチアリーダーとしてのキャリアをスタート。卒業後もチアリーディングのクラブチームや、社会人アメリカンフットボールXリーグのチームで活躍。2008年からはXリーグのオービックシーガルズに所属し、2010、11年とチームの2年連続日本一を経験した。2012年からファルコンズ初の日本人チアとしてフィールドに立つ。
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海東 奈月
(かいとう なつき)
ヒューストン・テキサンズ
2014/2015シーズンXリーグの鹿島ディアーズで6年間活動して、キャプテンも務めた後、2010年に渡米してNBAのダラス・マーベリックスのオーディションに合格。1年目からチームはワールド・チャンピオンとなり、日本人チアとして初めて北米4大スポーツでの優勝を経験した。マーベリックスでは2シーズン踊った後、2014年にテキサンズのオーディションにも合格して、NBAとNFLの両リーグで踊る3人目の日本人チアとなる。(TEXT BY KIYOSHI MIO)
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保坂 典子
(ほさか のりこ)
オークランド・レイダース
2013/2014シーズンワシントン・レッドスキンズ
2008/2009シーズン日本では4年間Xリーグに所属して、3度オールスターチア「Venus」に選出。2008年からワシントン・レッドスキンズのチアリーダーとして2年間活動。2009年には地元ファンのブログにて開催された人気投票で1位を獲得した。2010年に拠点を東海岸から西海岸に移した後は、AFL(アリーナ・フットボール)のサンノゼ・セイバーキャッツのチアリーダーとして2年間活動した後に、2013年からオークランド・レイダースのチア「レイダレッツ」のメンバーとなり、1年目はチームの最優秀新人チアに選ばれた。(写真:KIYOSHI MIO)
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宮田 憲江
(みやた のりえ)
タンパベイ・バッカニアーズ
2011/2012/2013/2014シーズン高校時代にチアダンスに出会い、本格的に活動を開始する。2006年からソングリーディング&チアダンスのクラブチームに所属し多くの大会で優勝。2011年シーズンから史上3人目のバッカニアーズ日本人チアリーダーとしてNFLの舞台に立っている。
バッカニアーズ・チアダイアリーを読む
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小池 絵未
(こいけ えみ)
ニューヨーク・ジェッツ
2011シーズン/2012シーズン300人を超えるニューヨーク・ジェッツのオーディション参加者の中から、難関を突破して見事合格。NBA、NHLのダンスチームに所属したこともあり、米国3大スポーツリーグでチアリーダー選出は日本初の快挙。2012年も「フライト・クルー」メンバー入りを果たした。
フライトクルー・チアダイアリーを読む
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安藤 美和
(あんどう みわ)
タンパベイ・バッカニアーズ
2012シーズンチアリーダー部に在籍した大学時代は、競技チア大会に出場し好成績を収める傍ら、アメリカンフットボールなど他競技の応援活動にも参加。卒業後は、日産スカイライナーズ(2001~2006年)、パナソニックインパルス(2007~2010年)と10シーズンに渡り社会人アメリカンフットボールXリーグのチアリーダーとして活躍した。バッカニアーズで日本人チアリーダーが誕生するのは史上4人目。
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小島 智子
(こじま ともこ)
タンパベイ・バッカニアーズ
2003/2004/2005/2006/2007/2008/2009シーズン単身渡米の末、タンパベイ・バッカニアーズのオーディションを受験し見事合格。『NFL TOKYO 2003』では凱旋帰国を果たした。日本人最長となる7シーズン目を迎える。
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佐竹 美帆
(さたけ みほ)
サンフランシスコ・49ers
2011シーズン総勢300名を超える参加者の中からオーディションを突破。日本人としては唯一合格した。名門49ersのチアリーダー『ゴールドラッシュ』に日本人チアリーダーが誕生するのは史上5人目。
ゴールドラッシュ・チアダイアリーを読む
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堀池 薫子
(ほりいけ かおるこ)
デンバー・ブロンコス
2007/2008/2009シーズン2007年、初挑戦ながらオーディションに見事合格し、デンバー・ブロンコスで3シーズン目を迎える。日本では2003年から2005年まで、Xリーグのオールスターチア「Venus」に選出されるなどの活躍をしてきた。
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石田 真紀
(いしだ まき)
サンフランシスコ・49ers
2006/2007/2008シーズン4人目の日本人チアとしてサンフランシスコ・49ersゴールドラッシュのメンバーに合格し3シーズン所属。日本では7年間、Xリーグで活躍。
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亀村 和代
(かめむら かずよ)
ニューヨーク・ジェッツ
2006/2007/2008シーズン2006年に日本人としては初めて、マイアミ・ドルフィンズのチアリーダーに合格。2008シーズンはニューヨーク・ジェッツ初の日本人チアとして活躍。
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濱中 彩恵
(はまなか あやえ)
タンパベイ・バッカニアーズ
2008シーズン2007年に続き、2度目のオーディション挑戦で見事合格を果たし、バッカニアーズでは2人目の日本人チアとなった。日本では3年間、Xリーグで活躍。
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檀上 欣子
[だんじょう よしこ]
ダラス・カウボーイズ
2006シーズン2006年、三田智子さんに次ぐ日本人2人目のダラス・カウボーイズ・チアリーダーに選出された。日本での職業は税理士という異色の経歴を持つ。
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中野 よしえ
[なかの よしえ]
オークランド・レイダース
2001/2002/2004シーズン2002シーズンにはチームの躍進とともに、日本人チアリーダーとして初めてスーパーボウルのサイドラインに立った。カリフォルニア大を卒業後、ソフトウェア・エンジニアとして活躍をしている。
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中山 麻紀子
[なかやま まきこ]
ワシントン・レッドスキンズ
2002/2003/2004シーズン単身渡米し、オーディションを受験し合格。『NFL OSAKA2002』では凱旋帰国を果たした。現在は千葉ロッテマリーンズのチアディレクターとして活躍中。
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斎藤 佳子
[さいとう けいこ]
サンフランシスコ・49ers
2004シーズン『NFL Cheerleaders Audition in Japan2004』に合格。その後の最終選考にも合格した。日本ではXリーグ、富士通フロンティアーズのチアリーダーとして活躍した。
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安田 愛
[やすだ あい]
サンフランシスコ・49ers
2001/2002/2003シーズン『NFL Cheerleaders Audition in Japan』に2002、2003年と合格。2003シーズンには日本人として初めてNFLオールスターチアリーダーに選出され、ハワイのプロボウルの舞台に立った。帰国後はアパレルメーカーReebokのスペシャルアドバイザーとして活躍中。
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柳下 容子
[やぎした ようこ]
サンディエゴ・チャージャース
2003シーズン『NFL Cheerleaders Audition in Japan 2002』を経て合格。同じく元NFLチアリーダーの三田智子さんがディレクターを務める新潟アルビレックスチアリーダーとしても活動経験あり。今夏にはNBAロサンゼルス・クリッパーズのチアリーダーに合格。
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石田(旧姓杉谷)季子
[いしだ ときこ]
サンフランシスコ・49ers
2001シーズン単身渡米し、オーディションを受験し、合格。日本では桜美林短期大学CROWNS、オンワード・オークス(Xリーグ、現オンワード・スカイラークス)チアリーダーとしても活躍。
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石井 球江
[いしい たまえ]
オークランド・レイダース
1997/1998/1999/2000シーズンカリフォルニア大サンタバーバラ校を卒業。大学時代は心理学と生物学を専攻。英語、日本語、ドイツ語の3か国語に通ずる。
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三田 智子
[みた ともこ]
ダラス・カウボーイズ
1998/2000シーズンアメリカ留学中にオーディションを受け合格。『NFL TOKYO 2000』では凱旋帰国をした。現在は新潟アルビレックスチアリーダーズのディレクターとして活躍。