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奇跡の復活を遂げたQBアレックス・スミスが引退を表明

2021年04月20日(火) 07:29

ワシントン・フットボール・チームのアレックス・スミス【AP Photo/Ross D. Franklin】

アレックス・スミスの信じがたいカムバックは結果的に彼の最後のフットボール姿となった。

36歳のスミスが現地19日(月)、『Instagram(インスタグラム)』を通じて引退を表明したのだ。

クオーターバック(QB)スミスは今オフシーズンのはじめにワシントン・フットボール・チームからの放出が現実のものとなった時点で、新たな機会を追い求めることに興味があったと明かしており、彼が望めばキャリアを継続することも可能だった。『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロによれば、複数のチームがスミスと契約したがっていたというが、スミスは数週間前に自らの意思でこのスポーツから離れることを決断した。

ベテランQBのスミスは19日、『ESPN』で今オフシーズンにジャクソンビル・ジャガーズを訪問し、2021年にかつての師であるアーバン・マイヤーHC(ヘッドコーチ)のもとでプレーする可能性に「とてもワクワクした」と明かすも、最終的には引退を決断したという。

「引退に気持ちが傾いていても、しっかりと検討したかったんだ。少しじっくり考えたくて。何があるのか見てみたかったし、そうやってよかったと思っている」と話したスミス。

本質的に、信じられないような形で復活を遂げ、チームをプレーオフ進出に導いたスミスにとって、思い通りの意思で旅立つこと以上に良い方法はないと言えよう。スミスは引退を発表した動画の中で「2年前、自分は車椅子に座りながら、ズタズタになった自分の足を見つめ、これから先、妻と散歩に行ったり、庭で子どもたちと遊んだりすることはできるんだろうかと考えていた」と語り始めた。

「ヘルメットをもう一度かぶることなど頭の片隅にもなかった。ずっと、“バカげたゲームのためにこれだけのことをしたのか”と自問自答していた」

「だけど、ある人の行動が自分の回復を完全に変えることになった。彼は俺の手にフットボールを戻してくれたんだ。それが何だったのか定かじゃないけれど、突然、力強さがみなぎり、意欲的になり、不可能と思われていたことが明確になっていった。実際、自分の人生の中で、このゲームというものが自分たちにしてくれたことはそういうことなんだと。大学でプレーすることはおろか、ハイズマンのファイナリストとしてニューヨークに行くことも、ドラフトの夜に自分の名前が呼ばれることも想定されていなかった痩せた無名の新人だった」

「そして、いつものプレーで、俺はすべてを失いかけた。でも、フットボールがあきらめさせてくれなかった。なぜなら、そう、これはただのゲームではないから。日曜午後に2本の白線の間で巻き起こることだけじゃない。これはチャレンジと、それに必要なコミットメントであり、どれだけハードに、どこまで自分を追い込めるか、ロッカールームにいる53人のみんなと、組織にいるすべての人たちとの絆、何か大きなことに全力で取り組むということだ」

「そして何よりも、みんなだ。ナイナーネーション(サンフランシスコ・49ersのファン)、チーフスキングダム(カンザスシティ・チーフスのファン)、バーガンディ&ゴールド(ワシントンのファン)、どの一員であるかにかかわらず、そこにいるすべての人々に感謝する。自分がともにフィールドに立ち、ともにプレーする機会を与えてもらったすべての選手に感謝している。自分を信じてくれて本当にありがとう。俺自身と、この不可能を信じて、自分を支えてくれて本当にありがとう」

「まだ力は残っていると思っているけれど、16年間、このゲームにすべてを捧げてきたから、他にどんなことができるのか、それを知るのが待ち遠しいんだ。ただ、その前に、少しだけ妻との散歩や子どもたちとの時間を楽しみたい」

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